#186 AT-1

 90年代後半、過去の栄光にばかりすがっていられなくなったJacksonが、伝統のコンコルドヘッドを捨てて打ち出した新機軸のギター。シュパーゼル+ウィルキンソンという流行を採り入れたアッセンブルや、PRSばりにダイナミックな削り出しトップなど、下り坂のジャクソンを救う意欲的な商品企画だったはずなのですが・・・。
 さて、実際の販売数を見ると「かなりレア」という惨敗状態(あらら)。「じゃ、ダメギターなのか?」というと、弾いてみるとこれがまた驚くほど出来が良い!。贅沢に15ミリ以上もあるフレイムメイプルを削り出したトップをこれまた分厚いマホガニーバックに貼り合わせ、7ミリ近い厚さのエボニー指板、細くて高い硬質なフレット・・・と、かなりハードなコンストラクションで「これが本当にジャクソンの音か!?」と驚くほど立ち上がりの速いタイトな音。 賛否両論のあるヘッドデザインですが、冒険をおかしてまで採用したストレートプルのおかげで、チューニングは極めて安定しており、弦のタッチも滑らかです。ジャクソンには珍しい22フレット仕様もフロントピックアップの音に拘ったものでしょうし、トレモロ仕様にもかかわらずマホのボディ鳴りとサスティーンは素晴らしいです。
  なんで売れなかったんだろ?21世紀を迎えることなくあえなく生産中止になってしまったAT-1ですが、新デザインのヘッドはSLS(タカ派)などに受け継がれ、特徴的な22FのカーブドトップボディはUSのスイート・トーン(ハト派)シリーズに受け継がれています。(実はこのヘッド、AT-1の発売初期段階ではペグ配置が4:2だったんです。どこぞのメーカーからクレームが付いたらしく初期物は30本しか出荷されておらずかなりレアだそうです。ペグ配置が左右で不均等なのも急遽3;3に変更したからかも知れませんね。)ちょっとクセのあるデザインも子細に見るとなかなか肉厚でカッコイイし、ズシリと重いウェイトもお気に入り。写真で見るとエレガント系高級ギターかと思われるかもしれませんが、実物はかなり「腹筋割れてる系メタルギター」という印象が強いです。おかげでカスタムショップにオーダーする「最後の一本」はボルトオンになるのかスルーネックになるのか・・・微妙な情勢になってきました(結局どっちも欲しいんですが・・・汗)。だれです?「E○Pのホ○イズンにそっくりじゃん」なんて言ってる人は?(笑)(COMMENT BY りょ。さん)

2005年6月1日